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転職失敗!?スタートアップループというキャリア

大企業からスタートアップへ挑戦するビジネスマンである私が綴ってきた本ブログではございますが、スタートアップへ挑戦してはや一年と少々というところで、フィールドを変えて再挑戦という選択をすることにしました。

この一年振り返ると、「もっとこうしておけばよかった」というようなことはやはりございますが、転職前の想定と大きく違った部分があり、これは戦うフィールドを変えたほうがいいのではないか、という結論になりました。この結論は半年くらい前から出ていたのですが、いつか好転するのではないか?という淡い期待をもっていました。

しかしやはり厳しいと判断して決断に至りました。これは転職失敗ということなのか、本稿で検証して参ります。

なお、最初の転職の背景は本ブログでも最初に書きました。

「想定外」の意味するところは、転職する前の自分には想像出来なかったこと、ということなので、それがわかるようになったということは大きな成長だったと思います。そうは思いつつも、また同じことが起こるのではないか?そうなるとJob Hopping人生になってしまう、という不安と、このままここにいてもプラスにならないという確信の間の葛藤があり、悶々としておりました。

その過程ではコロナが始まり、そもそも自分は何をしたいのか?を考え始めたら、その最中では地球温暖化って本当にしてるんだっけ?というところを彷徨ったりもして、相当迷走しましたが、ようやく方向性が定まりました。

次の転職に踏み切れたのはたまたまのご縁で「この会社で働きたい!」と思える会社と出会えたからというのもあります。そういう意味では、悶々としつつも焦らずじっくり機会を待って良かったなと思っています。

今回は、二度目の転職にあたって何を考えたか、また今後のキャリアについて現時点で考えていることを書いてみたいと思います。

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会社が成功するために必要なもの、個人として求めるもの

会社として(特にスタートアップとして)成功するために必要なものと、そこに所属する自分として会社に対して何を求めるか、という部分を整理してみました。

「経営者」と「組織」と「理念」は密接な関係で、「結局経営者なんじゃないの?」というツッコミもあるかと思うのですが、次のようなイメージを持って書いています。

  • 経営者:スタートアップの場合、よくも悪くもややこしいことになった場合の意思決定は経営者の一存のため、経営者を握れているかが大事
  • 組織:経営者の人事が組織に現れるため、結局は経営者次第だと思うので同じところに分類、スタートアップで最初から勝てる組織であることはないため、勝てる組織を作っていける土壌があるかが重要
  • 理念:会社のビジョン・理念に共感できるかどうか。難しい意思決定に及ぶと、ここが拠り所になるため、理念に共感できるかどうかは重要。

自分に並べる項目は、人それぞれ違うと想いますが、僕の場合は以下のような優先順位と意図もって書いています。

  1. 仕事内容:やりたい仕事かということに尽きます。ただ僕の場合は、その先にどこに向かっているかという部分に共感できれば、足元ではやりたくないと思ったこともできるので、自分にある程度の裁量があり、自分が経営者だったらどうするか?というマインドセットで動くことが許容される環境か、ということを重視しています。
  2. 成長:1と密接に関わり、1が満たされていれば概ねこちらも満足されるのですが、スタートアップにおいては、会社が安定していることよりも、自分が会社に依存せずに生きていけることが大事になります。自分が外で欲しいと思われる人材になれているか?会社が立ち行かなくなったとしてもすぐに即戦力として他のフィールドで活躍できる人材になれるか?という目線で成長を考えています。会社の安定よりも重要な項目です。
  3. WLB (Work Life Balance):Workを先に持ってきているあたりからも、プライベートを大事にしたいというよりは、暇すぎないか?という方が強いです。ハードワークを求めているものの、自分でコントロールしていきたいので、朝サーフィンしてから、在宅で仕事するけど、深夜まで働いている、というように、忙しさの中でも自由を見出したいと考えています。
  4. 給料:残業という概念が嫌で、時間に対して給料が決まるという概念を脱したいという思いがまずあります。給料には自分の成果が反映、もしくは自分に対する期待が現れると考えています。稼ぎたいというよりは、自分に対する評価が客観的に妥当化なら良いかと考えています。これはすなわち他社でもらうオファーと比べて遜色無いかということになります(前職における給料ではなく)。
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転職前の想定と入ってからのギャップ

上述の項目に対して、以下のように主観的に当てはめてみると、入社前後で以下のように変化しました。前後と言っても、後の方は入社後3ヶ月から半年くらいかけて定まってきた形です。

  • ○:良い
  • △:不明、リスクあり
  • ✕:良くない

冒頭で想定外だった…と書いていたことがこれを見るとお分かり頂けると思います。

しかしこれは、本来✕や△だったものを自分が勝手に○と思っていただけであり、洞察力が足りなかったということに他なりません。「自分」の部分は完全に個人に依存しますが、「会社」に関する部分も、人によって見方が変わるので、主観が強いと思います。

なぜならば、僕目線で見れば合わないと思う組織でしたが、その中でもちゃんと評価されて出世していく人もいました。その人が上図の評価を行えばきっと○で溢れることでしょう。

以下各項目について補足します。

営者・組織

経営者と合わなかったという極めてシンプルなお話です。経営者が求めていたのは、僕のような自分の考えを主張し自ら考えて動くタイプではなく、経営者の思っていることを如何に聞いて忠実に実行していくかというタイプでした。

「スタートアップならばこうあるべき」というイメージ像が前者だと勝手に思って入社し、これが根本的な勘違いだと気づいたときには、既に評価は定まっていた、という状況でした。

「そんなこと、本当はどう思っているかわからないじゃないか」というご意見もあると思いますが、人事には本音が現れると思っているので、評価されて出世する人がどういう人か?という部分をみればこれは明瞭だと思っています。

もちろんそこから挽回を目指すことも可能だと思うのですが、上述の方向性は全く自分がそうしたいと思えなかったことや、他の項目も含め、ここで再スタート切るよりは、別の環境がよいのではないかと結論づけました。

組織については、以前に以下のような投稿をしておりますが、構造的に組織は劣化していく宿命にあり、今どういう状況下を理解するよう努めることは、スタートアップでは本当に大事だと思いました。

技術・資本関係

スタートアップに向いている事業はどんな事業か?ということと、如何に出資者が出資後に会社に及ぼす影響が大きいか、ということについて以前以下の投稿で触れました。

技術基盤が圧倒的な差別化要因となっていることを当初企業選びの軸としたものの、これは一長一短です。大きな投資が必要になることから必然的に資本が希薄化していき、意思決定が縛られかつ遅くなるという構造的なジレンマがあります。

差別化要因は大きくないが、スピードで勝負していく、という方がスタートアップには向いていることを実感したため、企業選びの軸は180度転換しました。

競争は厳しくなるかもしれませんが、スタートアップにおける勝ち筋が見えてきて、とても勉強になりました。

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次の会社選びで重視したこと

次に参画する会社で同じように当てはめてみると次のようになります。理念は100%共感できるというところまでではないですが、自分のライフミッションと確実に重なる部分はあり、その接点を見いだせると考えました。

IT系の会社のため、技術に関しては誰にも真似できないというわけではありませんが、自社で開発リソースを持っているため、アップデートや新しい施策を高速に打てる点を重視し、ビジネスの方向性と将来性に対して動きが早いであろうという目算を立てています。

特に経営者と資本関係の部分を重視しました。

経営者に関して言えば、入社前にきちんとコミュニケーションを取って意思疎通を図ったという部分に尽きると思います。前回はそもそもそれすらしなかったという初歩的なミスでした。

組織というまとめ方は適切ではないかもしれませんが、スタートアップにおいては組織が固まらない状態で参画することが多いので、自分に期待されている役割と、聞きにくいですがポジションについてはよく話しておいた方がいいというのが反省でした。

株主構成が意思決定に多大な影響を及ぼすことを学びました。経営陣が過半数は最低ラインで、大部分の株を持っているのかを重視しています。欲を言えばマイナーであってもどこが持っているか、ステークホルダーがネガティブな影響を及ぼさないかは要チェックですが、ここまではなかなか教えてもらえないかもしれません。今回は前職での経験をもとに懸念を持っていることを伝えたところ教えてもらえました。

このように、一度の転職の経験は大いに今回の意思決定に対して多方面からフィードバックがかかっています。
そういう意味では、一年間の修行が生きたのではないかと思います。

履歴書を見ると良くないかもしれませんが、純粋に得られた経験を考えれば、一年で再転職することになったことを踏まえても良かったと今では思っています。一社目の大企業で自分が置かれていた環境が如何に恵まれていたものだったのか、ということもわかりました。

当たり前だと思っていたものが、実はそうでなかったことを実感すると、感謝の気持ちを身にしみて感じられます。

スタートアップへの転職は経験値という観点で言えば損はないかと思います。一方で長く働けるかという観点で言えばリスクはあり、この点は難しいところです。しかし敢えて申し上げるならば、「スタートアップをループする」というキャリアは会社に頼らず自分の力を付けていく路線で歩んだ場合に有力な選択肢だと思います。

このループは単純な試行の繰り返しではなく、次のループにおいては着実に選球眼が磨かれているからです。

スタートアップが成功する確率は決して高くないため、転職に躊躇するのは当然だと思います。しかし、一社目での成功にあまり固執しなくても良いと思えれば少し肩の荷をおろして飛び込めるのではないかと思うのです。

後はこの後私がある程度成功すれば説得力があるのですが・・・笑

この会社面白そうだと思ったときの企業研究

さて、最後に今回企業研究で使ったスポットコンサルについて触れておきたいと思います。

みなさんは企業研究をするときにどんなことをされるでしょうか?

会社自体を調べた後おそらくすること、そう「競合調査」がありますよね。

しかしこれ、なかなか調べてもわからないことがあります。
なにせホームページを見ても謳っていることが似ていて、その真偽や実力のほどが測れないからです。

そこで「スポットコンサル」を使って業界の人に話を聞くという手段を使ってみたのですが、これが非常に有効に働きました。これは特定分野の有識者にお金を払ってお話を聞く、というものです。「ビザスク」が有名で私が使ったのもこれです。1時間1~3万円くらいが相場感です。

ビザスク|日本最大級のスポットコンサル
ビザスクは、業界業務の経験豊富な「その道のプロ」に、1時間からピンポイントに相談できるナレッジプラットフォーム。業界調査...

コンサルティングという専門職業を一般のサラリーマンにまで民主化したサービスは素晴らしいと思います。この1時間数万円という金額は「高い」と感じるかもしれませんが、その方が何年という時間をかけて得た経験のエッセンスを短い時間で凝縮して聞けるものなので、そう考えると安く感じます。何より転職のような重要な意思決定においては質の高い情報が欠かせません

今回はたまたま、僕が行く会社の競合の会社に以前勤めていて、そこからお客さんにあたる会社に転職した、という方にお話を聞くことができました。そのため、競合調査もでき、お客さんの立場から見てどんなプレイヤーがいて、どんな課題があるのか、という重要な部分について、生の声を聞くことができました。

スタートアップの転職において、ここで確認したいのは、「自分が行こうと思っている会社が業界において強いプレイヤーなのか?」ではありません。この業界において、「まだ強いプレイヤーがいないか、これから戦う余地があるのか?」です。それでこそこれから伸ばす余地があるからです。

こうしてマーケットのポテンシャルや競合を理解しながら、行こうとしている会社や社長に質問していくと、より理解が深まり有意義でした。タイムバンクやココナラといったスキルシェアサービスは最近いくつもありますが、転職時にも活躍です!ぜひおすすめです。

スタートアップ挑戦で得た学びについては以下のまとめページを御覧ください。


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コメント

  1. そうですかあ~ちょっとびっくりですが、若いですから、どんどん経験ですね。新たなチャレンジ、楽しみにしています。

    • boompanch より:

      コメントありがとうございます。中々現実は厳しいものですね。また一から頑張ります

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