大学院を卒業して新卒で入社した大企業で5年間働き、6年目の7月に退社しました。
20代の最後で転職となったわけですが、まずはざっくりこの5年間をまとめますと、
- 1-3年目:技術営業の仕事に没頭、それなりに成果も出て仕事ができるようになる。3年目の終わりに転職を決断し、辞表を出したところ、「そのやりたいことをうちの会社でやってみろ」と言われ残ることにする。
- 4-5年目(仕事編):啖呵切ったものの、現実的な難しさ、そもそもうちの会社としてやるべきなのか?(貴重な経営資源を投入すべきなのか)という部分に早々に直面。別の道を模索し始める。事業開発、新規事業開発に取り組む。
- 4-5年目(仕事外編):会社の業績も悪く、若手の離職も多かったため、社内で協力して有志の活動を立ち上げた。その時々で、「これやったらみんな面白いかな?」というようなことを社内外巻き込んで業務時間外のイベントという形でやっていった。
- 6年目:本業でやりたいことが実現できない壁にぶち当たり再び転職を考える。運良くやりたいことができそうな会社を見つけ転職を決断する。
入社前からずっと変わらずに持っているライフミッションは、「クリーンエネルギーが100%実装される世界を作りたい」です。その実現のための自分の在り方として次第に明確になっていったのは、「0から1を生むことをしたい」ということですが、その理由は、
- 2年間の新規事業開発への従事の中で、筋の良いアイデアが見つかっても、スモールスタートでも始めることが難しい、大きい組織のもどかしさ
- 有志活動を立ち上げるという経験から得た、0から立ち上げることの楽しさ
一方で上記と矛盾するのが、自分には本当に何もないところ(0)から筋のいいアイデアを生む能力には秀でていないのでは、という自己分析です。
私はエンジニアであるものの、どちらかというと「エンジニアをバックグラウンドとした営業や企画」をしてきており、世界を変えるような技術も持っていません。また、有志活動 についても立ち上げたと言いながら、本当の最初に発案した人は別にいて、その人から声がかからなかったら、自分から始めたわけではありません。
それでも、「0.1の技術の芽やアイデアの芽を1にしていく」その過程で、フットワーク軽くとにかく仮説検証をしまくるといったことは得意だと気づきました。そのバイタリティと行動力、とにかく失敗してもめげずに前に進み続ける突破力が自分の強みであると気づくことができました。
さて新規事業と一口に言っても、その方向性には幅があります。目指す事業領域、顧客、規模、本業との関係性、そのため、「何でも新しいこと」としてしまうと優先順位がつかないからです。
ではどうしようかと、自分なりの結論を大企業の中でぶつけてみたものの、成功はおろか、社内での新規事業しか経験のない若造の提案に説得力は無く、組織を動かすことは叶いませんでした…。何年もかけて説得を続ければ可能性は開けるかもしれませんが、待っていられません。
せっかちな私はスピード感を求めて外へ選択肢を広げてみようと動き出したところ、スタートアップの世界に行き着きました。自らのライフミッションの実現にも繋がる構想が持てたため、思い切って参画することにしました。
「自分が始めた活動を途中で放り投げるのか」「これまで会社の中では自由に動かせてもらっただろ」そう責任を感じる部分ももちろんありました。それでも出ようと思ったのは、
- 会社全体が見えてきて、組織の力学が見えてきたからこそ、本当の意味で会社に貢献する(儲ける)ことは今の自分では難しいと感じた。つまり、努力する姿を見せることはできても、結果に繋がらなければ結果的に何にもならない。
- 自分がやっていきたい方向性(新しい事業を生んでいく)のための力は、連続的なビジネスをこれまでずっと行ってきた会社の中では育むことが難しい。すなわち、そうした環境に身を置いて自ら成功させる方がいい。
一昔前ならありえなかった出戻りという選択肢、それが現実的なオプションとして社会が受け入れ始めたからこそ、「今会社にはない知見を外で養い、再び戻ってこれを活かす」というキャリアもあるなと思いました。
そもそも選択したのがスタートアップであり、100に1つも成功しないスタートアップなので、かなり妄想の世界なのはわかっているものの、今の会社に貢献するという意味でも、やりたいことを会社にとらわれず実現していくという意味でも、この選択肢がいいと思いました、それが転職の背景です。
そしてこんなことを言ってしまうと、まずます自分は成功しなければならなくなる、そうやってでかいこと言って自分を追い込んでしまうのが自分の性分のようです笑。それでも、がんばってみたいと思います。
スタートアップでの挑戦についてのブログは以下のまとめを御覧ください。
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