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カーボンニュートラルとは、簡単に解説、2050年に向けた全体像

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2020年10月菅政権はカーボンニュートラルを2050年に達成するという大きな方針を示しました。
最近よく聞くようになった「カーボンニュートラルとは」一体何なのでしょうか?簡単に解説します。そしてこれに伴う2050年に向けた大きな流れを理解していきましょう。

以下演説分の抜粋です。

https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html

菅政権では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。

我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。

もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません。積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要です。

https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html


今回はこのカーボンニュートラルとは何か、そしてカーボンニュートラル実現のため、何が起こっていくのか、各国の動きはどうなのか、といったことについて、直近で出てきた政府の方針等々を見ながらまとめます。

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カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(カーボン)の排出量と吸収量が正味ゼロ(ニュートラル)になった状態を表します。二酸化炭素の吸収量が排出量を上回っている場合は二酸化炭素の量は減っていくため、この状態はカーボンネガティブと呼ばれます。

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日本と世界の二酸化炭素排出量

日本の排出量:11億トン

温室効果ガス排出量の確報値は環境省が出しています。2019年度の総排出量は12億1,200万トンで、2014年以降減少傾向にあります。二酸化炭素は温室効果額排出量の 91.9%を占めています。

CO2排出量の内訳は、燃料の燃焼に伴う排出が 92.9%と最も多く、これを「エネルギー起源のCO2」という呼んでいます。エネルギー期限のCO2をどう減らしていくかということが、カーボンニュートラルに向けてメインに議論されています。

世界の排出量:328億トン

世界を見ると、中国が最も排出量が多く、続くアメリカと合計で世界の1/3を越えています。日本は世界で5番目、3.4%という立ち位置です。

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カーボンニュートラルの方向性

カーボンニュートラルに向けて、一体どうやってCO2を減らしていくのか?
以下のイメージ図がわかりやすいです。


まずエネルギー起源のCO2は電力起源と非電力起源の二種類に分けられ、カーボンニュートラルに向けては大きく3つのポイントがあります。

  1. 非電力については、直接CO2が発生してしまうため、電力の割合を高める、すなわち「電化」を進めます。
  2. 電力・非電力双方の省エネを進め、それぞれのエネルギー消費量を減らします。
  3. 電力・非電力双方の脱炭素化、すなわち単位エネルギーあたりのCO2排出量を減らしていきます。
    • 電力では、再生可能エネルギーや原子力の割合を増やしていくことで、消費エネルギーあたりのCO2排出量を減らしていきます。
    • 非電力では、CO2排出量が相対的に低い天然ガス、再エネ起源のグリーン水素、バイオ燃料等の使用で消費エネルギーあたりのCO2排出量を減らしていきます。

それでもCO2排出量をゼロ(ニュートラル)にはできないため、排出量相当分を回収/貯留するという考え方です。貯留についてはCCSといった地下に埋める技術がありますし、回収して再利用する技術としては水素(H2)と合成して燃料化(メタネーション)などがあります。

電力・非電力部門における排出量を定量的に示しているのが以下のスライドです。

※CO2排出量11.3億トン×エネルギー部門割合94%=エネルギー起源CO2排出量:10.6億トン

これを見ますと、2018時点では、非電力:電力=6.1億トン:4.5億トンで電力の比率は42%とわかります。

2030年までの計画としては非電力:電力=5.7億トン:3.6億トンで電力の比率は39%と電化の進行はわずかで、25%という省エネを大きく進めていくという意向が見られます。

カーボンニュートラルに向けた主要分野における技術的な取り組み

先に挙げた省エネ、電化、脱炭素化、CO2の回収を進めるため、様々な部門でこれから技術開発と社会実装に向けた投資がされていきます。カーボンニュートラルに向けて具体的にどんな分野でどんな技術開発が見込まれているか以下に引用します。

既に実用化されていて導入も進んでいる太陽光や風力発電、EVといった技術から、技術開発が必要なアンモニア化(専焼)といった技術まで幅広く列挙されていますが、カーボンニュートラル2050という長期での目標に対して、これらの分野は投資されていくと言えます。

一方で、これらの技術を全て社会実装しようとした時、全てやろうとするとインフラコストの増大にもつながる懸念があり、どう取捨選択していくかが課題だと思います。例えばわかりやすいところでいくと、モビリティにおいて、EVとFCVはエネルギー源が電気と水素というように分かれますが、全国津々浦々に電気スタンドと水素スタンドの両方整備ということを考えると、無駄を感じます。

個人的な見解としては、国として統一的なエネルギーのあり方を定義しなくとも、エリアごとに違った姿を目指してよいのではないかと思っています。例えば、関東のような火力発電が多く、工場も多数立地しているエリアは、電力需要が大きく、立地の制約を受ける再エネは圧倒的に不足なため、膨大な電力ニーズに答えられません。カーボンニュートラル実現のために無理に再エネを増やすよりも、従来的な大規模電源を維持し、アンモニア専焼やCCSといった火力を主体としてCO2(カーボン)回収によって脱炭素を図る方向性が良いのではないかと思います。

一方で九州のような再エネが豊富で今でさえ出力制限がかかっているエリアは、再エネ主体のネットワークとし、電力の地産地消を主とし、変動分を補うために再エネ由来のグリーン水素網を張りめぐらせておくような、欧州型の地産地消再エネ+バッファの水素網というような形はどうでしょうか。

こうなると、例えばモビリティでいくと、関東ではEVが主体になり、九州ではFCVが主体になるような制約は住民一人ひとりが受けるかもしれません。

立地毎の電源制約と電力需要によって目指すあり方を定義し、それぞれにあった技術を導入していくような進め方ができると、カーボンニュートラルに向け、民間企業は効率的で予見性を更に高めた技術開発ができるのではと思いますが、現状はまだかなりその手前で、いずれの技術も実用化にはまだ遠いため、同時並行で技術開発を行っていく必要があります。

世界各国の動向

二酸化炭素の量については地球規模の話であるため、日本一国ではどうにもなりません。諸外国の皆様はカーボンニュートラルに対してどういうスタンスなのでしょうか。

先程のCO2排出量の図に、カーボンニュートラルを2050年までに達成と表明している国を追記してみました。点線は国としては表明していないものの、大都市を中心にいくつかの当該国地域で表明している国を表しています。

こう見ますと、バイデン政権がカーボンニュートラルの表明をしたことにより、排出量の多い国々はロシアを除き軒並みカーボンニュートラルの表明をしていることがわかります。

「Climate Ambition Alliance」によれば、本記事執筆中の21/1/15時点での表明国は121カ国です。

これだけ全世界で取り組めれば、カーボンニュートラルに対する効果を見込めると期待が持てます。

そもそもどうしてCO2減らさないといけないのか・・・復習

最後に、そもそもカーボンニュートラル、すなわちCO2をなぜ減らす必要があるのか、という背景について以前まとめた記事を掲載しておきます。

端的に言えば、地球の平均気温の上昇を抑えるため、ということになるのですが、その目標値を定めるにあたっては、パリ協定とIPCCが役割を果たしています。

パリ協定では、2070年までにカーボンニュートラルを達成することで、気温の上昇を2℃に抑えるという目標値が示されましたが、よりアグレッシブなシナリオとして1.5度に抑えるものも提示されており、追ってIPCCがそのための条件として、2050年までのカーボンニュートラル達成を示しました。


さて、今回はカーボンニュートラルについて取り上げました。
現在は、2050年カーボンニュートラルという目標ラインが一つのコンセンサスとなり、この目標に向かって各国が足並みを揃えている様子が伺えます。

個人的にも気候問題の解決には是非もなく取り組みたい所存ではあるのですが、一方で、CO2(カーボン)に全ての責任を負わせてしまっていいのだろうか、という疑問があります。

以前に必死に調べて以下に掲載した3投稿にまとめましたが、温暖化の原因がCO2であることは、確かであるものの、その影響度については今の科学レベルで十分わかっているとは言い難いのではないか、と私は思いました。


だから温暖化対策が不要だと言うつもりは毛頭なく、これだけ気候変動が深刻化しつつある中では、疑わしきは罰していかなければ手遅れになりかねません。

しかし方向性として、膨大な投資をして新たに脱炭素のための設備投資をしていくということには一抹の不安を感じます。再エネにせよ水素にせよ、エネルギー転換を図った先にまた別の問題が起こるのではないかと思うからです。

太陽光パネルを敷き詰めるのに一体どれだけの材料を使うのか、水力発電を行えば下流に流れる水の流れは弱まり、風力発電でも同様に風下の流れが弱まります。世界中に大量に再エネ発電装置を作りまくる姿が本当に地球に優しいのでしょうか?問題の解決ではなく転換になってはいまいか。

そもそも経済成長を追い求めること自体に根本的な問題があるのでは、と悶々と思っていたところ、斎藤 幸平さんの「脱成長」の概念に出会い共感を覚えています。こちらについては以下の記事にまとめています。

最後は少々ネガティブなことも書きましたが、カーボン2050という大きな目標を世界中の国々が協調して目指していくという姿は非常に感慨深く、世界平和のために自らも頑張りたいと改めて思いました。

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コメント

  1. いつもながら、本当によくまとまっています。私もここに書かれていることに強く共感していた(過去形)のですが、年末年始に「人新世の「資本論」」という本を読み、強く感化されてしまい、今はちょっと見方が変わってしまいました。

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