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相続時の節税対策は住居の形で家無しの子か孫へ

相続税の税制が2016年に大幅改正され、基礎控除が大幅に減らされたために今までなら相続税に引っかからなかった人も課税対象になりつつあります。昨今は寿命が長くなり、90歳から70歳に相続する老老相続が増えているそうです。

これまで何度か親族の相続関係に巻き込まれた経験から、今回は相続時の不動産を活用した節税の方法についてまとめておこうと思います。もっとも自分が相続される側の立場の場合、節税のノウハウを知っていても機微な話題ゆえに役に立てるのが難しいと思いますが・・・私は半世紀は覚えておく必要がありそうです、最も心配するほどの財産を作れれば、の話ですが。

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税法改正により基礎控除が減額

相続税の計算は他の税金同様、以下のように計算されます。

(全財産の金額 - 控除額)× 相続税率

なるべく相続税を減らすには、この全体の金額を減らすか、控除額を増やすかということになります。税率は金額に応じて割合が変わります。控除額のうち全ての人に対して適用される基礎控除が税法改正により次のように変わりました。

Before:5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
After :3,000万円+600万円×法定相続人の数

この基礎控除額よりも財産が少なければ相続税はゼロなのですが、基礎控除額が減ったことで、対象者が拡大したというわけなのです。

例えば法定相続人(例えば子供)が三人いた場合の基礎控除額は以下のように変わります。随分違いますよね。

Before:5,000万円+1,000万円×3人=8000万円
After :3,000万円+600万円×3人=4800万円

都内の不動産を相続したりすると、それだけで超えていくこともあります。これまでは相続税の対象者は4%ほどしかいなかったようですが、税法改正以降対象者が増加しているようです。

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生前贈与の110万

相続税を減らす方法として、そもそも財産の金額自体が減ればいいという考え方があります。例えば生前贈与により減らしておくということができます。

毎年110万円までは贈与を非課税で受け取れるので、直系卑属(子や孫)に110万円ずつ毎年相続して財産を減らしておくというのも有効な手段です。

これは受け取る側の非課税上限が110万のため、例えば父方、母方双方から110万ずつもらった場合は課税されるので注意です。

また毎年同じ日に贈与していたりすると、当初からトータル金額を贈与する想定だったとみなされ課税されることがあるようです。ややこしいですが、毎年突発的に贈与したようにする必要があると。いっそ115万円くらい贈与して、税金払っておくのがいい気がしました。

更に相続の開始から三年前の間の贈与は相続に合算されるため意味がありません。当然相続のタイミングはわからないのでこれは結果論でしかありませんが。

No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁

低い税率で敢えて税金を払い加速して贈与する方法も

以下の記事で述べられているように、毎年110万ずつだと時間がかかるという場合は310万円ずつ相続するという手もあるようです。

こうすると110万円を引いた200万円が課税対象になるのですが、200万円までが最も税率が低い10%となるため、20万円が税額になります。20/310=6.5%が実質税率ということで、消費税よりも低いくらいのなので急いで贈与するなら有効手段と言えそうです。

賢い人が、年間110万円ではなく「310万円」の贈与を選ぶワケ | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン
※本記事は、ファイナンシャルプランナーでTSPコンサルティング株式会社代表の佐藤毅史氏が、中小企業オーナーが自身の可処分所得を増やすためのノウハウを紹介します。今回は、生前対策として活用されている「贈与」について見ていきます。


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不動産という形での相続

小規模宅地の特例

相続税の評価額を下げる手段として、「小規模宅地等の特例」という法令があります。こちら適用条件が複雑で、かつ本来対象となるべきでない人たちが節税目的で使うケースが相次いだため改正されて条件が厳しくなっていますが、条件を満たすと「不動産の評価額を8割減にできる」というものです。

これは例えば5000万のお家を1000万と評価してもらえるということで、課税対象額そのものを8割減にできるかなり大きな特例です。
以下の国税庁の解説の中の「(3)特定居住用宅地等」という項目です。

No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁


どんな人が適用されるかですが、一番シンプルなのは、一緒に住んでいる親族です。これは自然な気がしますね。

なお、この時対象になるのは330m2までの部分のため、それ以上大きな不動産の場合は、超過分は減額対象から外れます。
330m2は十分大きいですが、これを超える場合は坪単価の高い家に住み替えることでクリアすることが可能です。都心のタワマンの高層階が売れる理由の一つが分かった気がします。

家なき子の特例

ここで注目したいのが、通称「家なき子の特例」と呼ばれるもので、「亡くなった親族が住んでいた家を、家を一度も所有したことのない親族に相続するときに適用できる」というものです。

子が賃貸住宅に住んでいる場合はまさに対象になるわけですが、じつはこの特例は孫にも適用できるのがミソです。

わかりやすさ重視でざっくりと対象者を説明しましたが、実際は適用判定がややこしいのできちんとご確認されることをお勧めします。以下のサイトは比較的わかりやすくまとまっていますが、色んなケースがあり、最終的には税理士に確認しないと確信が持てないと思います。

小規模宅地等の特例をわかりやすく解説。相続した土地にかかる相続税を最大80%減額 | 税理士法人トゥモローズ
小規模宅地の特例の概要をわかりやすく、かつ、詳しくまとめました。「小規模宅地の特例とは何か」「どのような土地に適用可能なのか」「必要な書類は何か」をわかりやすくまとめています。

家なき子の特例を使う場合、法改正によって相続人が家を所有した瞬間に適用外となるため、事前に話して置く必要があります(以前は直近3年以内に家を持っていなければOKでした)。従って遺言の形にして合意形成をしておくのが肝要です。

ここは書きずらいところですが、実際に死期が迫ったとき、一人で自宅で生活しているという状況は多くは無いのではないかと想像します。親戚を頼ったり、老人ホームで過ごしたり、といった可能性は十分あります。こうしたときに、「居住用の宅地」と判定されるかどうかは、国税庁の条文だけでは判別が難しいケースもあります。



今回相続税の節税方法についてみてきました。相続税の基礎控除額が税法改正により減額されたため、相続税対策がより身近になりつつある昨今です。

金融資産は不動産の形で相続することでその評価額を減額できる可能性があるので、相続税を減らして親族に相続したいと思ったときには有効手段になりえます。相続人の状況にもより小規模宅地の特例は条件を満たすかの判定がシビアなので、元気なうちから検討しておく必要があります。

また必ずというわけではないですが、不動産の相続時の評価額の計算方法は時価とは異なり、傾向として時価よりも下がる傾向にあるため、持ち家がない場合は不動産の形で試算を持っておくのは相続時にプラスに働きやすいと思います。

公示地価を基準としたときの価格の違い
http://fudousan.szt.co.jp/transition/tochi_kakaku.htm

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