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アピールのジレンマ

やたら上司にゴマをする人(ごますりさん)を傍目に見ていて不愉快に思わない人はいないよなあと思うのですが、ある程度アピールしないと何も伝わらないわけで、周りに不快感を与えずにゴマをすれる人は本物のごますりさんだと思います。

書いてしまうと当たり前な気もするのですが、アピールのジレンマについて書きたいと思います。

転職をすると当然ながら一から人間関係の構築をしなければならないわけですが、基本的な前提として、「一生懸命会社にとって必要なことをしていれば、評価されるに違いない」と考えていました。

スタートアップだからかもしれないのですが、自分の仕事を自分で決める必要がある環境においては、言われたことをやって評価されるというシステムはありません。
「何を評価とか言ってるんだ、そんなことどうでもいいだろ」という意見もわかるのですが、残念ながら社内での評価は自分の仕事の幅を狭めないために非常に重要だということを身をもって痛感しております。評価されていないとやりたい仕事ができなくなる。

組織がきちんと出来上がっていない場合、「適切な評価者が存在しないこと」「何が正しいのか、必要なのかという明確な判断軸が無いこと」「アピールしないと伝わらないこと」というような難しさに直面します。

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適切な評価者が存在しないこと

立ち上げ期にスタートアップに入ると、レポートラインがいきなりCEOやCOOという事態になります。つまり、自部門=自分状態になるので、その部門として何をするかということから自分で決める必要があり、同じ部門の部門長に評価してもらう、とはなりません。

当然CEOやCOOはこっちの仕事をちゃんと見ているわけではないですし、専門性も仕事内容も全く違います。

この状態で僕が取ってしまった過ちは、「自分の価値軸で正しい、必要」だと思うことをやったことです。もう少し正確に言うと、自分の判断軸が最高責任者と一致していると信じてしまっていたことでした。

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何が正しいのか、必要なのかという明確な判断軸が無い

この何が正しいのか、という判断軸は当然答えがないです。あったとしても答えがわかるまでは時を要する。例えば車を売ることが決まっていたとして、世界最高速度を出せるエンジンの技術があったときに、スポーツカーを作って売るのか、技術自体をライセンスして技術料を得るかという選択肢を思いついたとき、限られたリソースの中でどちらかを選ばないといけないとして、その判断はデータ等合理的な説明はいくらかつくものの、結局は好き嫌いの世界ではないでしょうか。

会社が変わると、判断軸の所在が大きく変わる、そして特に立ち上がり初期で文化もルールも定まっていない中だと、直接的にはそうじゃないように見えても、やはり最高責任者すなわちCEOの価値観になるようです。書けば当たり前の事実なのですが、これをうすうす気づくのに半年たち、一年かけて完全に腹落ちしました。

頭で理解しているレベルと、行動まで起こすレベルでは雲泥の差で、最初からこの点を強烈に理解していた人(すなわち傍から見るとごますりさん)とは埋められない差ができてしまっています。

こういうことは親切に教えてくれる人がいるわけでもありませんが、大企業出身者であれば処世術として身に付いているような気もします(あれおかしいな)。

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アピールしないと伝わらない

であるならば、最高責任者がどういう価値観で何を本当にしたくて、どうやって意思決定していくのか、ということは最初に正確に把握しなければなりません。そのためには、かなり密にコミュニケーションを取らないといけませんし、自分は信頼に足る人間なんだとアピールする必要があります。

会社にとって必要なことをやっていれば大丈夫、と信じて仕事をし続けていたことは、「黙ってても君のことは誰も見てない」「正しいと思ってたことは本当に正しいのかい?」という二つの点でズレていたのではないか、と感じています。

会社にとって必要なことをやり始めると、本来の自分の職掌から外れることや、地味なことが多く、目につきにくいなと感じます。

ここから得られる教訓はなにか、転職したらまず最高責任者の顔色を窺いまくった方がいい、ということかと思います。

僕は前職の大企業では誤解を恐れずに言えば好き勝手やることを許容して頂けていました。(それにも関わらず辞めていったことは一旦置いておいて)これが普通ではなく大変有難いことだったということを知れたのは非常にいい機会でした。

しかしそれも最初からそうであったわけではなく、ある程度の下積みがあってのことだったことも思い出しました。

加えて、アピールしなくても、意識的に自分のことを見てくれるいい上司だったということだと思います。

それにしてもアピールをどうやってするのかは悩ましい問題ではないでしょうか。個人的にはアピールしてる自分がすごい嫌なんですが、どうしたものか。
「如何にカッコよくへこへこするか」サラリーマンの永遠の課題かもしれません。それが嫌なら独立するしかない。

最初は徹底的に会社に染まる、特に最高責任者には逆らわない、仕事が定まっていないのならば、こまめにすり合わせながら方向を修正し、求めていることをきちんとこなしていく。その中で独自色を出していけばいい。

ゴマすりさんを見ても、嫌悪感を抱く必要はない、必死に意思決定の基準を理解しようとしているのでしょう。

そして自分が逆の立場になったときは、会社にとって良いことをしている人を見落とさないようにしたいと強く思いました。
今からでも遅くはない、刺さるアピールを考えていこうと思いました。

P.S. 落語のススメ
耳がインターネットに接続された状態が多い今日この頃ですが、基本的にはニュースや経済番組を聞き流しています。

そんな中最近新たな音声コンテンツとしてで「落語」にはまっています。元々何度か寄席に足を運んだりはしていたのですが、昨今こういう状況ですし、映画のように自宅でも移動中でも楽しむことができます。

落語が他の娯楽と違って面白いのは、1000人ほどいる噺家に対して古典落語のラインナップは300程度しかないという構図で、「内容の知れたストーリーを如何に面白く話すか」という部分が重要なのであってストーリーの新しさではないというところだと思います。

同じ話なのに、話す人が変わると全然イメージが変わって面白いです。そしてこれがYoutubeにごろごろ落ちているので、お手軽に見ることができるのです。

久々に落語を聞こう(見よう)と思ったきっかけはこちらの本でした。
落語についてよくわかってオススメです。

『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』
boompanchのレビュー 立川談慶

boompanchさんのレビュー
boompanchさんの立川談慶『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』についてのレビュー:落語...

この本にも書かれていますが、落語は人間の業の肯定、すなわち人間とはどうしようもないことを面白おかしく話してくれるわけですが、人間の本質が垣間見れるわけです。

ちなみに僕が好きな噺家は、古今亭 志ん朝(三代目)さんです。芝浜とか、居残り佐平次なんかは特に面白いのでオススメです。柳家 喬太郎さんも好きですね。

 

 

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