タイトル

コロナとスタートアップ、金策中心に

緊急事態宣言が出て、ほとんど外出しない生活も1か月が経ちました。医療従事者をはじめとしたエッセンシャルワーカーの方々には頭が上がりません。自分は家にいるくらいしかできないので、大人しくすることに徹しています。

連日のように給付金や無担保貸付といったニュースが飛び交う中、私含めホワイトカラーの労働者で在宅勤務ができていると、給料も払われるわけですし、状況の違いを感じます。コロナは本当に不平等だなと思います。

抗体があり感染もしない、感染させることもないという人から経済活動を再開できるということが議論され始めていますが、良し悪し、実現可能性は置いておいて、抗体の有無という自分ではコントロールのしようがない特質で人生が左右されるというのは恐ろしい世界だなと思います。資本主義から抗体主義へ。

家から仕事をしてもさして影響が無い会社員からすると、むしろ東京での最大の問題点でもある満員電車通勤から解放されて、Quality of Lifeが上がってるんじゃないかとすら思います。

そして通勤しなくていいとなると、都市に住まなくてもいいわけですし、常識が覆り、個人の生活にせよ、事業にせよ、固定費を持つことのリスク増加を考えさせられます。



そんな中withコロナに何をしようかと考えている毎日なわけですが、魔がさして3日ほどゲームばかりやっている堕落した生活をしてしまいました。20年前くらいにやったゲームがリメイクで登場したのが気になって仕方がない、しかしこれ買ったらアカンやろ、と思ったまでは良かったのですが、20年前のソフトをまたプレイしてしまったのでした。

緊急度、重要度のマトリックスでみたら、緊急度も重要度も高くない、一番やってはいけないやつ、です・・・。難問を考え出しての現実逃避、こりゃイカンと切り替えてブログを書き始めました。
余談ですが、20年前のゲームというのは、画質でいったら酷いものなのですが、名作は色あせないなあ、としみじみ思いました。ああ・・・僕の30時間・・・

高校以降、ゲームや漫画、アニメはほとんど手を出さなくなったのですが、これは成長してつまらなくなったのでは全く無くて、面白すぎて時間が無くなる、そして終わった後の喪失感が次のプレイを誘発するというサイクルに抗えない自分に気づいたからでした。

今でいうとネットフリックスがまさにこれだと思うのですが、無料体験の1か月の間に気づいたのは、リコメンド機能が優秀過ぎて、いくらでも見てしまう、という恐ろしさでした。


さて恐ろしく脱線しましたが、このコロナ下で一か月在宅勤務となったここまでを振り返り、スタートアップが置かれている状況で特筆すべきことをいくつか書きたいと思います。

スポンサーリンク

資金繰りが全て、いつ調達していたか

会社はいくら赤字だろうが、お金がある限り倒産しません。究極的に言えば、出資なり融資なり、お金を供給してくれる人がいる限り潰れません。
逆に黒字で優良事業だとしても、借りているお金を返せと言われて返せなければ倒産です。そういう意味では資金繰りが全てといっても過言ではないです。

そんな中、経済活動が停滞し、どんどん燃えていく運転資金をなんとか賄うことが重要な局面である今、体力がない会社ほど苦しいことになってきます。

当然大企業のように内部留保が豊富な会社はまだまだ耐えられる、固定費が重い会社はかなり厳しいということになります。

スタートアップの場合は、当然内部留保などありませんのでどこも苦しいと思います。その中でも最も厳しいのは、これから調達しようというタイミングの会社です。

通常スタートアップは、資金調達を少しずつしながら成長させていきます。これはなぜかというと、Equity(資本)で調達していく場合、時価総額が高ければ高いほど調達コストが下がる&短期で時価総額が伸びていくからです。

単純化したケースですが、例えば4年で8千万円必要なときに、2年毎に必要資金を調達していくのと、4年分まとめて調達するのでどう違うのか考えてみます。
このとき、2年後には会社の評価額が5倍に成長していると仮定します。

このように、最初にまとめて調達をするケース2の場合は、同じように成長していても、既存株主の持ち分が大きく毀損してしまっていることがわかります。

スタートアップの場合は、基本的にEquity(資本)の形で調達するため、出資者に株を渡すことになります。ある金額の資金を調達するときに、会社の評価額が大きくなるほど渡す株の割合を減らすことができるので、調達コストが下がるのです。

加えて、スタートアップは成長スピードが速いので、特に初期フェーズでは会社の評価額は倍々に増えていくことも少なくありません。そうなると、都度必要な資金を調達していった方が資本コストを抑えることができるのです。

こうした資本政策の性格上、余剰資金が豊富にないことが通常で、調達したばっかでも数年分しか資金が無いのが通常だと思います。そのためコロナのように大きく資金調達環境が変わると大きな影響を受けます。

特にこれから調達しようと考えているスタートアップ(目先の運転資金が減ってきているスタートアップ)はかなり苦境に立たされてしまうのです。

スポンサーリンク

CVCは縮小傾向と思われる

以前スタートアップの資金調達に関して、主に出資と融資の違いとスタートアップでは出資で調達する、ということに関して以下の記事で書きましたが、出資してもらう相手として大きくVC(Venture Capital)と事業会社(CVC:Corporate Venture Capital)の二つに分けられる、と書きました。


VCと事業会社経由どちらのが多いかというのは年によって違うようですが、直近はVCの割合が多いようです。

INITIAL:Japan Startup Finance 2019
https://initial.inc/insights/startup-finance-2019

景気後退が来ると当然この投資額全体が圧縮されてスタートアップにお金が回らなくなってしまうのですが、特に事業会社からの資金は引き上げが大きいと思われます。

なぜなら、事業会社は本業の事業があり、そちらが減収減益に追い込まれているケースも少なくないため、自社のことで一杯一杯になってしまうからです。余剰資金でベンチャー投資をしているのが事業会社なので、余剰資金が無くなってくれば当然絞られてしまいます。

VCの場合は、スタートアップを成長させること自体が本業のため、投資先を絞ったり、金額を絞ったりするとは思いますが、投資しなくなることはその性質上考えにくいです。

プットオプション、段階出資に注意

事業会社から投資してもらう場合、出資の仕方としてプットオプションが組み込まれている場合があります。これは「あらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で売る権利」です。

スタートアップへの投資はリスクがあるため、投資する場合も色んな条件を付けるのですが、「いつまでに、〇〇を達成できなければ▲▲円で株を買い取ってもらいます(プットオプション)」という条項が付いたりするのです。

この〇〇は事業上不可欠なマイルストーン等が設定されるのですが、鍵となるライセンス契約といったものがイメージしやすいでしょうか。今回のような社会情勢の変化で達成が困難になり、出資してもらったお金を返さないといけなくなる可能性が出てくるのです。

また、そもそも出資自体が段階出資になっていて、マイルストーン達成毎に出資していくという契約になっている場合もあります。その場合は、事業会社側が「やっぱり出資を止めたい」と言い出しかねません。

このように、既に出資してもらっている(決まっている)としても、資金引き上げの影響を受ける可能性はあり、金策からは目が離せません。

スポンサーリンク

スタートアップのチャンス

私の会社の場合は調達したばかりだったこともあり、まだ運が良かったと思います。それでも、事業環境が激変し、当初の事業計画に遅れが生じる可能性は通りに進まなくなっているのは多くの企業と同様のところもありますが、逆にいい面もあります。

事業内容によるのですが、まだ事業が完成していないからこそピボットがしやすかったり、幸か不幸か元々売上が立っていない会社は売上減少に悩まなくて済みます。

よく言われていることですが、GAFAが急速に成長したのは、リーマンショックの後です。

中小企業白書 2019:中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/PDF/chusho/05Hakusyo_part3_chap1_web.pdf#page=14


これはスマートフォンの普及がカギだと思われます。スマホを中心とするモバイルシフトへの転換もリーマンショックに急速に進んでいます。それが全てではないと思いますが、社会の危機はこれまでの在り方が一変、すなわち新しい在り方が誕生するきっかけになるため、スタートアップにはチャンスとも言えます。

総務省:数字で見たスマホの爆発的普及
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111110.html


目先の資金調達が終わっていれば(これは運でしかないのですが)、粛々と事業の立ち上げを進められる可能性があります。日本にポジションを置いて、この10年はGAFAに持ってかれたと捉えると、今はまさに挽回のチャンスかもしれません。

そう考えたら休業している場合じゃないですね、こんなに人とのアポイントメントが取りやすい(みんな暇している)こともそうそうないです。
私も連日のように色んな人と話しながら今後の事業展開を模索している、そんな一か月でした(そして最後はゲーム・・・反省)。

P.S. シリコンバレーのスタートアップの事情がわかるドラマ「シリコンバレー」

スタートアップを支援をしている友人からオススメされたドラマです。僕はシリコンバレーには行ったこともないので、真偽はわかりませんが、シリコンバレーでのスタートアップあるあるが描かれているので、スタートアップがどんな感じかわかるよ、ということでオススメしてもらいました。

下ネタ満載なので好みわかれると思いますが、「無茶苦茶具合と、VCがどう絡んでいるのか、資金調達の大変さ」あたりがよく伝わってきます。もしかすると、実際にシリコンバレーのスタートアップにいる人が見たら、半沢直樹を見た銀行員が抱くような違和感を覚える可能性もあるのですが、オーバーな方がわかりやすいので、こんなものかと肌感覚を得るにはいいと思いました。

 

 

スクロールしてページ下部の「LINEアイコン」をクリックすると新規投稿をラインでお知らせする設定ができます。メアドを入力して登録を押すと「メルマガ登録」もできます。有益な記事書けるよう努めます!

コメント

  1. えー、魔が差してゲームに明け暮れる、なーんてこともあるんだ、と新鮮でした。ぼーっと、考えごとで結論がでず、、、、というのが多いかな。後は本読むんだけど、次から次への浮気して進まないとか、、、

    激変が起こると不平等が生じる、格差が拡大する、というのが世の常だと思います。一方で、ネットで世界がつながっているので、広い視点で考える人は昔と比べると格段に多いんじゃないかな、と、そこに少し期待したいです。

タイトルとURLをコピーしました