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送電線とは、電力ネットワークの構造と、国際比較

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電力やガスのネットワークは社会の隅々までエネルギーを行きわたらせる役割を担っています。これらのインフラは「系統・グリッド」と呼ばれ、エネルギー転換を進める上では要となる存在です。

そもそも発電所と需要地をつなぐ送電線はどういった仕組みで作られているのでしょうか。また今後の再生可能エネルギーの普及を見据えた時、先行する欧州ではどんな電力ネットワークが形成されているのか、国際比較をしてみたいと思います。

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発電所からお家までの送電線のあり方

高電圧で送電する理由

発電所から電気を使う場所(需要地)までは距離があります。電気を送る時には必ず送電ロスが発生してしまうため、このロスを如何に小さくするかが、送電線のあり方を考える上で重要なポイントです。大規模な発電所から、日本全国津々浦々の需要地までなるべく効率良く電気を送るため、以下のようなしくみで送電と配電のシステムが構築されています。

ここでのポイントは、発電所で作られる電力の電圧は非常に高く(超高圧)、これが段階的に引き下げられ、需要地では実際に使う電圧にまで落とされているということです。なぜかというと、電圧を上げることで送電ロスが小さくなるからです。

送電によるロスというのは熱による損失です。送電によって送電線が熱くなって熱としてそのエネルギーが失われてしまいます。ではこの熱の発生を抑えるためにはどうしたらいいかというと、熱の発生量は送電線を流れる電流[A]の大きさの2乗に比例します。つまり、電流が2倍になると送電ロスは4倍になります。つまり、なるべく送電するときに電流を抑えた方がいいということになります。

私達が使う電力は[kW]という単位で表され、この電力については以下の関係式が成り立ちます。

電力[kW] = 電流[A] ✕ 電圧[V]

つまり、「電圧を高くすれば、電流を小さくできるので、送電ロスを小さくできる」、ということになります。

こうしたことから、発電所ではできるだけ高電圧にして電力を送り出し、なるべく高電圧のまま輸送し、なるべく需要地に近いところで実際に使用する電圧まで落として需要地に届ける、ということを行っています。なるべく高電圧の状態で受け取れる方が、送電コストが抑えられるため、大電力を使用する工場は特高、高圧、という領域で電気を受け取るということをしています。

日本の送電線の屋台骨、基幹系統

日本列島に走る基幹系統は以下のようになっています。特徴としては、東日本が50Hz、西日本が60Hzとなっており、双方は周波数変換所を通じて周波数の変換を行うことで連結されています。また北海道と本州は海底ケーブルで結んでおり、この二箇所は特に大容量の電力を融通できないポイントです。

そしてこの大動脈からいくつもの変電所を通じて電圧が下げられ無数の配電網を通して需要地に電気が送られていきます。

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日本と欧州の送電線の比較

昨今は太陽光発電や風力発電などの小規模な再生可能エネルギー(分散電源)が広範囲に分布するようになってきており、従来の大規模発電所から消費地へという電力の大きな流れが変化しつつあります。こうした再生可能エネルギーの拡大に合うよう電力ネットワークも拡張していく必要があります。

電力の自由化と再生可能エネルギーの普及が日本よりも早い欧州の送電線はどういった状況なのでしょうか。南北に長い日本と異なり、面的に広がり、各国が電力融通を行っている欧州は再エネの融通もしやすいということを耳にすることも多いです。連携線という部分をポイントに日本と欧州との比較をしてみたいと思います。

日本と欧州の送電線

日本の電力システムは10のエリアから成り立っています。各エリアで必要な電力は、基本的には同じエリアで発電されますが、沖縄を除く9エリア間は、「連携線」と呼ばれる電線で繋がっていて、全国規模の送電線ネットワークとなっています。

基本的には電気を送るには電線が必要で、当然電線は作るのにも維持するのにもコストがかかりますし、電線を通すことで電力の損失もあるので、できる限り発電した場所に近いところで電気を消費するのが良いです。

そうはいっても、電気が余ったり足りなくなったりした場合には、連携線を使うことで、エリアを超えて電気のやり取りができるようになっています。

連携線を積極的に活用すると、風力や太陽光と言った出力が変動する再生可能エネルギーをより多く増やしていくことができます。

下の図に設備容量(発電能力)と連携線の容量の関係を表した図を掲載しています。

この図の色分けの部分を少し補足します。日本では、交流電流は、西日本では60Hz、東日本では50Hzと周波数が異なります。電圧も120Vと100Vで異なるわけですが、これがややこしい問題を引き起こしています。

電圧(周波数)の異なる電流を合流させることはできません。従ってその間には電圧を調整する「変圧器」が必要になります。その境目で図の赤と青が分かれています。

ちなみに余談ですが、なんでこんなややこしいことになったかというと、昔電力システムを欧米から輸入したとき、GE(米国)から技術を輸入した西日本とSimens(ドイツ)から技術を輸入した東日本で別れてしまったようです。ヨーロッパでは50Hz、アメリカでは60Hzだからです。

北海道だけ緑色ですが、これは、北海道と本州を結ぶ連携線は「直流」で接続されているからです。島が物理的に離れており、長距離送電する必要があるため、直流に変換して送電しています。この点はイギリスも同様で、そのためヨーロッパの図も陸地毎に色が変わっています。

連携線のカバー率はエリアによって大きく異なる

先ほどの図で、日本国内の連携線が各エリアの設備容量に対してどのくらいの割合を占めるか計算してみました。

エリア 設備容量 連携線容量 連携線カバー率 
北海道5.20.612%
東北14.2642%
東京53.36.612%
中部24417%
北陸5.11.937%
関西26.69.636%
中国10.68.176%
四国5.32.649%
九州15.42.818%

これを見ると、エリアにより大きく割合が異なり、特にエッジに位置する北海道と九州は低いことがわかります。また、東京はそもそも発電量が多い中で、西は変圧しないと連携できず、実質東北頼みになっており、低い値になっています。

土地が広く風況の良い北海道、日照量が多く太陽光の開発が進む九州、と日本のエッジは再エネ開発のエッジを行く地域でもあります。しかしながら連携線の観点からいうと、再エネ導入が進んだ時の安定性には課題があります。

一方ヨーロッパの方を見てみますと、ばらつきに大きな差があります。デンマークやポーランドはもう少し連携できる国があると思うので全部網羅できていないので話から外します。

設備容量連携線容量連携線カバー率
英国6946%
ベルギー132.922%
オランダ173.521%
フランス871416%
ドイツ8125.031%
スペイン375.515%
ポルトガル83.139%
チェコ103.939%
オーストリア1115.2138%
スイス1012.7127%
イタリア53713%
デンマーク20.3518%
ポーランド233.515%
アイルランド5120%

連携線が周辺国と繋がっていることが、再エネ普及にどのくらい貢献しているのか、比較してみようと思います。再エネ割合に関しては19年の以下のようなデータを引っ張ってきました。

連携線カバー率と再エネ普及率の関連

このうち水力は大雑把に言えば安定電源なので、不安定電源である太陽光と風力の割合との関係を見てみます。

こう見ると、連携線カバー率と不安定再エネ比率の関係の相関は思ったほどありません。ただ、連携線カバー率が高い欧州の国は再エネ比率もやや高めと言えそうです。

それ以上に、日本が連携線カバー率に関わらず不安定再エネ比率がかなり低いと思いました。国土が狭い中で適地が少ないという事情もあるかもしれませんが、系統の制約という言い訳は通用しないかなと思いました。

日本でも今の系統をもっと柔軟に使って再エネ普及をする手立てはありそうです。
次は今後の再エネを主力とした電源計画における日本の送電線の将来計画や再生可能エネルギーを最大限導入するための送電線運用のルール変更について見ていきます。


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