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持続可能な社会のためにできること、柳川の水路から学ぶ

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たまたま友人がいたことで訪問した福岡の柳川が持続可能性ということを強く求められる現代の私帯にとって非常に示唆に富んだ営みを持っていることを知りました。

なんとあのジブリ映画の題材として宮崎駿と高畑勲によって創られた作品まであるのです。この柳川という地が持つメッセージ性の高さから、純粋なドキュメンタリーかつ3時間に及ぶ長時間映画にしたものの、逆に大衆受けせず日の目を見ることはなかったのでした。

しかしこの映画は今を生きる私達にとても刺さる内容です。これを題材に、持続可能な社会のためにできることを考えていきます。

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柳川の延べ470kmの水路と御花

まずは柳川の立地を確認しておきましょう。福岡県ですが、博多からは2時間ほどかかります。

「柳川」という単語と一緒に検索される検索ワードとして特徴的なものをボリュームの多い順に挙げてみます(人名除く)

  • うなぎ
  • 柳川ワンダ:パチンコ
  • 川下り
  • 温泉
  • 御花

柳川の特徴は平坦な土地に張り巡らされた水路です。昔はここでうなぎがよく取れたようで、うなぎが有名です。今もうなぎのお店が目立つのですが、残念ながら現在は柳川ではうなぎは取れず、鹿児島で養殖されたうなぎだそうです。

柳川の方々は味が濃い食べ物がお好きなようで、ここではうなぎをせいろ蒸しで頂きます。そして面する有明海で取れる海苔も大変に美味しいです。

この水路の川下りが観光の目玉になっています。この川下りは西鉄柳川駅の近くからスタートし、1時間強楽しめるのですが、その終点に位置するのが、「柳川藩主立花邸 御花」です。

1738年に柳川藩主立花家の邸宅として建てられた建物を、文化財でありながら旅館としても活用しているようです。足を踏み入れるとその豪華な建物の作りに非常に驚きます。以下の写真の1枚目はメインのお庭、2枚目はお庭を望む大広間なのですが、江戸時代の大名の気分を味わえます。

大広間で寝そべってごろごろできるのも一興ですが、個人的に面白いなと思ったのは、3枚目のように、和式の平屋が真っ白な西洋館に直付けされていて和洋折衷を文字通り体現しているところです。

御花の敷地内には、400年にわたる歴史を受け継ぐ博物館も併設されているのですが、ここで個人的に興味を持ったのは当時豊臣秀吉から「東の本多忠勝、西の立花宗茂」と評され、柳川の大名に抜擢された初代立花家「宗茂」です。秀吉への恩義から、関ヶ原では西軍につき、一度は柳川藩を追われたのですが、20年の月日を経て徳川家からの信頼を得て当主に返り咲きます。関ケ原で敗れた後旧領に復帰した唯一の大名だそうです。

小説家の葉室麟さんは宗茂をこう評しています。「宗茂は他の戦国武将のように野心を剥き出しにしない普通の人。最終的に大きく出世したわけではなく、元居た場所に戻っただけかもしれないが、自分の居場所を見つけ、自分の役割から逃げなかった英雄といえるのではないか。」

挫折を乗り越え自分らしくあることを模索した宗茂という人物にとても好感を持ちました。どうやら積極的な大河ドラマへの誘致の活動があるようで、ぜひ実現してほしいと思いました。

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早過ぎた宮崎駿の力作「柳川堀川物語」

あの宮崎駿が、この柳川の地を題材に描いた高畑勲監督のドキュメンタリーの製作に多額の出資をしていたことをご存知でしょうか。

ナウシカの収益を突っ込み、自宅を抵当に入れて借金までして作った映画なのですが、3時間にわたる超大作で、当初1年だった製作期間が3年にも及んだそうなのです。

ここで拵えた借金を肩代わりしてもらうために作ったのが「スタジオジブリ」であり、ラピュタやトトロが生まれたと言われています。そんな曰く付きの映画が「柳川堀割物語」なのですが、ジブリ好きの方でも、存在すら知らない方が多いのではないでしょうか。

DVDを購入することで視聴できる他、ニコニコ動画で15分区切りの動画がアップロードされているので、無料でも見ることができます。

これを見ると、漫然と観光していてはわからない「掘割」の裏側にある歴史と背景がとてもよくわかります。ネタバレにはなりますが、3時間の長編の中で僕が特に関心を持った部分をまとめたいと思います。

柳川掘割物語のまとめ

柳川が面する有明海は1年で6mも潮位が変わり、干潮時は干潟が一気に広がります。この干潟が年月を経て伸びていく形で陸地が広がっていきました。しかしこうした湿地で生活するには、水を引いてこないといけません。そこで水路が作られました。膨大な量の水路網を満たすのは、二ツ川という小さな支流一本です。坂一つなく、ほとんど勾配差の無いエリアでどうやって水を行きわたらせたのか、水利の無いこの地での緻密な設計と涙ぐましい努力がここにあります。

google mapを加工して作成

わずかな川からの水と降水で全ての生活用水を賄っていた時代、水を最大限利活用するための仕組みが「もたせ」でした。水路は高低差毎にブロックによって区切られ、ブロック間は一か所でしか繋がらず、下流へは必要量しか送らず、余った水は横方向の水路で貯めておき、水が減ったときに備えます。

常に川よりも高位にある田んぼに人力水車で水を送り、雨が降ったときには水路に水を貯める、稲を育てながら水路の水を反復して使用し、大雨が来たら堰板を上げて田んぼへ水を開放、こうして水路を用いて利水と治水を行ってきました。

二ツ川からは常に豊富な水が流れるわけではなく、春流れてきた水を下流でせき止めて秋まで大切に使い、冬は一旦水を抜いて水路全体をきれいにします。海からの高潮の被害を防ぐためにも堀が活躍していました。この部分は、文章で書くと分かりにくいかと思いますが、映画を見るとわかりやすいです。ニコニコ動画の該当箇所のリンクは以下になります(その6)。

高度経済成長期、1970年代に入ると、下水で堀はひどい汚さになりました。そもそも排水するのではなく水を「もたせ」て活用するシステムのはずの堀がゴミで埋まったのです。同様のシステムがあった各地で水路は埋められコンクリートの下水路に取って変えられました。しかしこうした近代化したシステムにより水を地下水から得るようになった結果、地盤沈下に苦しむ地域が多くありました。大雨の際に排水もできません。

柳川でも一旦は堀を埋めて下水システムを完備する計画が立ち上がりましたが、新たに着任した平松係長が水路活用のシステムの復活を計画し、住民を説得し、市長を説得してその取り組みを実行しました。その計画の骨子は、①ヘドロを取り除き水路復活、②排水ルールを定めて汚水の流入を抑える、③維持管理の仕組み作り、の3本柱です。

こうして柳川の水路網は復活し、今でも住民の生活を支えているということなのです。3時間の超大作ですが、途中から映画のクオリティと作者の並々ならぬ想い、そのメッセージに引き込まれていきます。ここでは水路のシステムに焦点を当ててかなり簡潔にまとめましたが、全編をご覧いただくとその全貌がわかります。やや冗長的でもあり長い映画ですが、所々にジブリらしいアニメーションも見られます、お勧めです。

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30年の時を経て、見直される映画の価値

古くから自然との共生のために編み出されてきた「もたせ」という利水兼治水の方法から、悪条件を克服し如何に水という資源を無駄にしないシステムを構築していたかがわかります。コンクリートジャングルの都市化、大量消費という近代化が象徴する20世紀から、この21世紀は地球温暖化をはじめとした地球環境問題と向き合う100年になるはずです。

この映画は自然と共生するというのはどういうことかということを教えてくれます。近代化で人間がやってきたことは、「自然のシャットアウト」だと思います。内と外を分け、内の環境を快適にしていくということです。しかしこれは快適ではあるものの、廃棄物を外に押し付け、膨大な消費エネルギーと資源によって成立する環境負荷が大きい方法です。果たしてこれが持続可能な社会と言えるのでしょうか。

自然との共生、持続可能な社会のためにできることを考えたとき、①自然との境界を曖昧にし、自然を活かすことでエネルギーミニマムな仕組みを構築すること、②人間系から「排出」される負の産物を、環境負荷を抑えて処理していくこと、がポイントだと思いました。

しかしこれは決して容易ではありません。柳川の市民が乗り越えたのは、汚れきった堀をきれいにするという負の遺産の精算という行動です。自然が吸収できない部分に側面に向き合い、進んでやりたいと思えないことをやりきった、ということは持続可能な社会を考える上で必要なことだと思います。

こうしたなるべく触れたくない部分に対して、環境負荷を極力小さくしたテクノロジーを活用していくというのは大いに有効だと思います。しかしそれ以上に柳川堀川物語が教えてくれるのは、人々の協力の力だと思いました。

思い返せばジブリではこうしたメッセージがアニメを通して伝わってきます。自然との共生を描いたナウシカ、自然に対する畏敬の念を感じるもののけ姫、「なぜジブリでドキュメンタリー?」と思いますが、伝えたいことの根底は変わっていないと思いました。

持続可能な社会のためにできることを考えたとき、柳川の取り組みがそっくりそのまま日本全国で応用するのは難しいと思います。それはそれぞれの土地にあった時速可能な形があるからです。その土地の特性を最大限に活かしながら、人間生活から排出される負の遺産から目をそらさずに地域住民が一体となって環境負荷の低いシステムを構築することが活路ではないでしょうか。

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