タイトル

失われた1週間、病院の現実を知る

今週突然じわじわ襲い掛かる腹痛に見舞われ、内科で感染性胃腸炎と診断されて2日間お陀仏(ちーん)。OS-1と水で脱水症状に気を付けながら、胃をウイルスと共に空っぽにすることで徐々に回復、翌日は頭痛で動けず結果2日という感じでした。

ブチ学習1 ~OS-1~

OS-1、日本名「経口補水液」は、脱水症状に適した飲料水です。大学の研究室の教授が体調悪いときは飲め、と絶賛していたのですが、ついに試す時がきました。まずいと聞いてたんですが、うすいスポーツドリンクのようなものでそんなに悪くないです。効果があったのかどうかは飲まなかったケースと比較できていないゆえ分からずじまいです。薬局で買えます。
(薬局に行くまでが辛かった・・・)

経口補水液オーエスワン(OS-1)|大塚製薬工場
所ジョージさんがCM出演するオーエスワンは、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。


この週は後半自滅していたのですが、前半は祖母の体調悪化に付き添って病院へ行っていて、日本の医療の現実を目の当たりにしました。

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めぐるめぐる病院

前日

足が悪く歩行器を使いながらでないと家の中を歩行けない、外は介助無しでは歩けない、という祖母なのですが、この前急に頭が痛い、めまいがすると言い出して動けなくなってしまいました。

祖父が救急車で総合病院に連れいていったものの、MRI取って脳に異常はなし、一旦安堵はしたものの、そうなると耳の異常が疑われるので耳鼻科へ行けと言われ帰されたそうです。
聞くとその総合病院にも耳鼻科があるものの、混んでいるから町医者に行った方がいいと言われたとのこと。町医者だと本当に空いているのでしょうか?翌日耳鼻科行きを試みることにします。この日は病院の往復の間に何度か転んで危なかったとのことで耳鼻科行きは助太刀することにしました。

15時

耳鼻科へ行けと言われても、もともと足が悪いうえ平衡感覚まで失っていて、家にいても寝てるしかできないほどの状態です。耳鼻科といっても、家の近くに昔あったところは既に廃業、タクシーで15分の距離に二つという感じです。一方は恐らく混むだろうということでもう一方に行きました。

待ち人数は5人ほど、1時間ほどで呼ばれたのですが、頭痛と眩暈の中起き上がるのもしんどい、タクシーでぐるぐる回るのは堪えたようで、診察までたどり着くのもしんどいようでした。
総合病院でもらった脳の画像と紹介状の手紙を渡して診断してもらうと、突発性難聴の疑いあり、と。そこで聴力検査を行います。

ブチ学習2 ~突発性難聴~

突発性難聴というのは、急激に聴力が低下する病気のようなのですが、もしそうだった場合、すぐにステロイドを打つ処置が必要なようです。急に耳が聞こえなくなった、という場合は注意する必要がありますね。

突発性難聴の判断のために視力検査をするのですが、もともと難聴でしかも補聴器無しで検査させられる、加えて頭が痛いという状態でまともな検査にならず判断できない、総合病院に行ってください、と言われてしまいました。

僕

昨日その病院行ってきたんですよ、それで耳鼻科に行けと言われて今日来たんです

耳鼻科医A
耳鼻科医A

はい・・・しかしここでは設備も無くてこれ以上検査できないんです。○○病院さんへ行って頂ければ、詳細な検査もできます。

僕

本当に大丈夫なんでしょうか?また耳鼻科行けって帰されませんか?確認取ってもらえませんか?

やや無茶ぶりかなと思いつつ聞いてみたんですが、親切にも電話してくれ、かつ紹介状も2通書いてくれました。既に外来の時間が終わってしまっていたので、救急宛と耳鼻科宛です。

耳鼻科医A
耳鼻科医A

救急の手紙の方には、耳鼻科の先生に診てもらうように書いておきました。時間的には外来終わってますが、おそらく診てもらえると思います。

感謝、こうして結局何なのかは分からなかったものの、次の道はできました。足も耳も悪い祖母の診断にはやはり時間がかかったようで、診察室を出ると、待合室は席が埋まるほど行列になってしまっていました。申し訳ない後続の患者さんたち・・・
しんどそうな祖母を再びタクシーで総合病院へ連れていきます。

17時

救急へ行くと、問診したり目の中を除いたり何やら色々やってくれる。特に異常なし、そして再びMRIを撮るといいます。この問診の間は起きたり寝たりの繰り返しもありしんどそうでした。血液検査も行います。

疑問1

前日に来て、この病院で検査されているはずなのに、情報共有がされていない、というか記録が無いのか、それを知らないかのような質問をされまくる。病院の科を横断した、もしくは科の情報連携ってどうなってるんだろうか。

ブチ学習3 ~MRIのタイミング~

MRIを二日連続で撮ることに意味あるのか?と思ったのですが、脳の異常がMRIで映るまでには少しタイムラグがあるそうです。
なお脳の異常から眩暈などが起こる場合、脳の特に小脳が原因となるようです。もし異常がある場合、MRI上で小脳が左右で非対称になるので画像からわかるようです。

MRIを撮るのに着替える必要があり、病院着にされた祖母、頭痛薬と点滴を打ってもらって多少は楽になったようです。しかしその後ずっと寒いと言います。我々と同じ通路で待たされるのですが、確かにこの病院着で待たされるのはつらい。

19時

結局耳鼻科医には診てもらえないことがわかります。そうすると何のためにここに来たんだっけ?という疑問が湧いてきます。このまま帰ってくださいと言われ、翌日は休み、休み明け耳鼻科で何時間も待たされるという状況は祖母への負担を考えると何とか避けたい。

疑問2

そもそも耳鼻科で診てもらうためにわざわざしんどい身体を押してここまで来たはず。見られないのであれば、着地点がわからないまま居座らせてどうするのだろうか。前日と同じ検査を繰り返して意味があるのか?

僕

今日は入院させて頂けるのでしょうか。

救急医B
救急医B

入院希望なんですね。
検査結果次第になります。

僕

ご存じの通り、昨日ここで診察してもらい、家に帰されてます。
耳鼻科の町医者に行けと言われたわけですが、町医者に行った結果、この総合病院でないと設備的にも診断が難しいと言われました。
ここでまた帰されても、再びここに来るしか次の手がありません。

しかし今日は朝から横になっていることしかできないのに加え、横になっていてもしんどい状況です。病院との往復は体に負担が大きいです。加えて今外来で耳鼻科に来ると混雑で非常に待たされると伺っています。

ベット数も限られているのはお察ししておりますが、足が悪くもともと歩くのに困難な中、平衡感覚も失われて歩くこともままなりません。この状態で入院できないとすると、誰が入院できるのか疑問です。

以上鑑みますと、入院させて頂き、耳鼻科の先生が来て頂いたタイミングで見て頂くのがベストではないでしょうか。

救急医B
救急医B

希望としてはわかりました。
検討させて頂きます。

今対応してもらっているのは恐らく救急の先生、この人に否は無いのですが、たらい回しに会っているので、入院希望の由をやや強めにしました。

MRIの結果は特に問題なく、血液検査の結果を見ると、ちょっと黴菌が入っているようで尿検査をするとのことでした。ちょっと待ってくださいとと言われ・・・待つこと2時間・・・

時間がかかるのは、救急車で搬送されてくる方が多く対応が後手に回されるからのようです。

21時

空白の2時間・・・何だったのだろうか・・・
尿検査はベッドに横になって尿を採るということで、一応横になれたのがまだよかったです。しかしこっからがまた長いのでした。

お腹が減った祖父とコンビニでおにぎり調達、同じく空腹を満たすべくむしゃむしゃ食べ始めたところ、何やら祖父がビニールを剥がして海苔とご飯を分離させていることに気づきます。

どうやら、三角形の頭から開けるあの開け方を知らないようでした。教えると、目を点にして驚いている様子、でもこれ、20年くらい前からこの形ですよね。お互いびっくりでした。
ユーザーフレンドリーだと感じる計らいも、高齢者にはハードルが高いということがよくわかった瞬間でした。

23時

尿検査の結果が出て、少し黴菌が入っているとのこと。内科の先生に診てもらって、入院するかの判断を行うとのこと。

祖父
祖父

今日中に帰れるかなあ・・・

疑問3

時間軸の共有というのはされないものなのだろうか。
8時間かかると思っていたらこちらもそれ相応の準備もできる、こんなに遅くなるのなら一旦祖父だけでも家に帰すという選択肢を取った。これでは患者が増えてしまう。

24時

内科の先生に呼ばれます。ここまでの診察内容を総合的に診断、緊急性の高い脳の異常は認められない。尿検査の結果は確かに少し悪いが、これが原因で眩暈、頭痛が起こっているとは考えにくい。おそらく横になっている時間が長くその間に黴菌が入ってきてしまったのではないか。

内科医C
内科医C

眩暈、頭痛の方は耳鼻科の先生に診てもらう必要があるが、日常生活にも支障があるとのことで、入院としたいと思いますが如何でしょうか。

無事入院できることになりました・・・

入院の準備するのでお待ちくださいと言われ、更に待ちます。

救急の診察室の前の廊下は、少しずつ顔ぶれが変わっていきます。どうやら、ずっと我々のように張り付いている人はいないようなのですが、入れ替わり新しい人が来るので、時間感覚が麻痺してきます。

1時半

ようやく病棟へ移動。更に待たされて、入院に必要なものが書かれたパンフレットと同意書を渡されます。

疑問4

書かされる書類が多く、分散されて渡され、かつ内容が似通っている、まとまらないものか?
意識も朦朧としていたのでちゃんと思い出せないのですが、これだけ数あると重複も多いし、何に同意したのかもよくわからないです。書類が増えると見なきゃいけないお医者さん看護師さんも大変ですよね。

  • 入院することの説明時:入院時の患者が言うことを聞かなかったり、暴れたりした場合は必要な手段取りますの同意書
  • 病棟に移るまでの間:緊急連絡先や患者の生活状況などを書く書類
  • 病棟で説明受けた時:何かのサイン
  • 翌日:同意書?契約書?

2時

帰途につきます。
総合病院にいたのは、17時から2時のなんと7時間…

翌日・翌々日

お見舞いに行くと、祖母の様子はまだ頭痛はするようなものの、前日よりはだいぶ良い様子。ご飯もちゃんと食べているとのこと、一安心でした。

翌々日になると、眩暈も収まり、耳鼻科医が診る必要がなくなったとのことで、耳鼻科検診もなくなってしまいました。もう退院せよと言われたとのこと。たまたま翌週頭に持病の定期健診があったため、そのタイミングで退院ということになりましたが、事なきを得ました。

孫としては大事に至らなくてめでたしなのですが、結局原因がわからず、普通の頭痛だったという結末だとすると、焦って救急に連れてくる必要があったのか、いたずらに病院の負荷を上げて祖父母が疲弊したのではないかと思ってしまいます。家で最初寝込んでいた時の状態で家で看病していて回復するイメージがわかなかったので(訪問看護師にも病院へ行った方がいいとは言われた)、その判断が間違っていたとも思えないのですが、病気と、病院との付き合い方については考えさせられました。

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日本の医療制度はキャパオーバー、でも効率化できるのでは

長々病院で待たされると、お医者さんにキレたくなる気もしますが、お医者さんたちの顔を見ていると目に光は無く表情は疲れているのを感じます。少なくともサボってるわけではありません。
かなり日本の医療システム限界迎えてるんじゃないでしょうか。

患者が多すぎるかというと、確かにそれもあると思うんですが、それ言っちゃうと今後ますます大変なので前向きに考えて、どうしたら効率化できるか考えてみようと思います。

病院の連携網

総合病院を頂点として、細分化した地域ごとに町医者が点在というのが通常の医療システムだと思います。僕の祖父母のエリアだと、人口10万人以上の市ですが、家から車で15分の範囲に耳鼻科が二つしかありませんでした。正確にはもう一つあったのですが、情報が乏しく電話もつながらないという感じなので除外してます。

総合病院から耳鼻科を紹介するときに、患者の住まいの行ける範囲の耳鼻科をピンポイントでオススメすればよいと思います。この時に、今目の前の患者の症状からどんな設備が必要なのか、紹介先の病院はそれを満足しているのかを踏まえておけば、行ってみたら設備がなくて診察できない、という事態も防げるはずです。
また、もし近隣の町医者で対応が難しいのなら無下に帰宅させるという選択も取らないはずです。またブーメランで戻ってきますからね。

そのためには、病院同士が設備の情報や、混み具合なんかを共有できていれば良いのではないでしょうか。患者自身で病院の目利きをするのはかなり難しいと感じます。こうやって適切な病院に無駄なく送りあえれば、「たらい回し」ではなく「役割分担」になるのだと思います。

ちなみに、今回は祖父が総合病院で紹介状を書いてもらう時に家の近くのX耳鼻科へ行くことを伝えたそうですが、翌日以降としたら既に閉院となっていたそう顛末のようです。

病院内のIT化

手書きの資料全部失くした方がいいと思いました。何度も同じこと書かされるのは無駄ですし、書かれたものを確認する側の工数が増えるのが一番問題だと思います。超多忙な中紙で整理してこれを情報連携するのはかなり難しいと想像します。特に大きな病院ならなお更です。
入院の手続きなんかも、一度同じ病院で入院したことがあれば、同じ確認は省くことができます。

「お薬手帳お持ちですか?」
これ毎回聞かれるんですが、どのくらいの方がもってきているのでしょうか、軽くぐぐったところ定量的な数値は見当たらなかったのですが、僕はたいてい忘れます。忘れるとシール頂けるのですが、たいてい貼り忘れます。僕の場合はただの怠慢として、高齢者には持ち物一つでも減らしてあげる方がいいんじゃないかと思います。

これも電子化すればいいんじゃないかと思います。
病院行くときに絶対に持っていかないとヤバイもの、それは保険証ですよね。保険証にICチップなりQRコードなりを仕込んで、お薬手帳内蔵させてしまえばいいと思います。そこに毎回病院側で追記する。これで病院側のオペレーションも簡素化しますし、僕らも忘れない。

高率化も大事だが、どう病院に来る人を減らすか

根本的にはここな気がします。一つは今主流の対処療法から予防医療へのシフト、健康でいるための行いに対してインセンティブを出していって、なるべく病気にかからないようにする。

気軽に医者に行かないようにするのも大事な気がします。これどう減らすのか難しいですよね。高齢者だと、医療費安いし、話し相手を捕まえに病院来るなんて話も聞いたことがあります。ここは案が見つかりません。

もう一つは、今必要な適切なアクションは何なのかわかりやすくするのも必要だと思いました。
今回の件もそうですが、救急に今行くべきなのか、家で安静にしていた方がいいのかの判断は難しいです。難しいくらいなら行ってもいいかもしれないですが、どういうときに何科に行くのか、患者側の判断がしやすくなる仕組みがあるといいのではと思いました。


この1週間珍しく病院とご縁の深い生活となったため感じたことを書きました。知り合いの病院関係者や医者に共有してお考えを聞いてみたいと思います。


P.S. 最近面白いと思った記事
デザイナーがタダ働きにNOと言うべきことが分かる動画

デザイナーがタダ働きにNOと言うべきことが分かる動画 | デザインコラム・ブログ | ASOBO DESIGN™
スペックワークを知っていますか? 日本ではあまり定着していない言葉ですが、「スペックワーク (SPEC WORK)」というものが海外の広告デザイン業界で問題視されています。スペックワークを平たく言えば、「気に入ったらお金を払うよ (気に入らなければ払わない)」という類のクライアントからの要求です。 カナダの広告代理店 ...

デザイン業界では、「スペックワーク」という「試しデザイン」をタダで行うような商習慣があるそうです。これをほかの業界でいうとどんな感じなのか、というのを動画にしてみたのがこちらの記事です。確かにあほらしくて面白いんですが、これ見てて思ったのが、実は「スペックワーク」なるタダ働きってほかの業界でも多いんじゃないかなということです。

プラント・建設業界なんかだと、どこの業者が受注するかを決めるまでは各社が何か月もかけて見積もり書を作成して集まった見積書の中から受注できるのは一社。
ただ、この場合は、業界の常識として、見積もりなどにかかっている費用は受注したときの売上に間接費として乗っけるのが当たり前になっているため問題ない気がします。

つまり、前払いで払っておくか、受注した時に乗っけるかの違いでしかないからです。当然全く受注できない会社は持ち出し費用だけがかさんで行くので、費やした費用を回収できないわけですが、そこはそもそも受注する力がない会社なので市場から撤退していくという自然な淘汰が起こります。なんだか問題ない気がします。

一方で日本の場合は古い商習慣でFS(Feasibility Study)というものがあり、大型のインフラ建設のための事前調査なるものを指すのですが、発注者がこれを行う時、受注見込みの高いベンダーにタダでやらせることがあることです。
昔のように、競争環境が緩い時代は良かったのですが、今だとFSで持ち出しで仕事したのに、本チャンで受注できなかった、なんてこも往々にして起こり、スペックワーク並みの問題を感じました。

やや脱線しましたが、デザインが他の業界と違うのは、スペックワークであれ、作成したものは知的財産として価値のあるもので、それはタダじゃないということだと思います。

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コメント

  1. 通りすがり より:

    お薬手帳ですが、最近は「アプリでお願いします」といえば、「お薬を見せる」という機能で、アプリに処方内容を入れてくれたりします。アプリに対応していない薬局でも、QRコードがもらえて、手動でアプリに取り込めます。
    http://www-eokusuri.nichiyaku.or.jp/

    • boompanch より:

      コメントありがとうございます。
      勉強になりました。早速ダウンロードしてみましたので今後使ってみます。
      薬局でアナウンスされたことないなと思って調べてみたんですが、薬局毎に出していたりして乱立してるみたいですね。

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