タイトル

何人の会社になっても組織論からは逃れられない

前職の大企業時代、尊敬する先輩から言われていたことがありました、それは

大先輩
大先輩

「君は政治の人間ではない、君が力を発揮できるところにいた方がいいよ」


僕が当時大企業の中で新規事業を起こすための枠組み作りに奔走していて、そのために社内政治に足を突っ込んでいたので、それを見て言われたことです。

人の生き方や仕事の仕方についてあまり強い口調で言うことのない人でしたが、この時はかなり厳しい言い方で言われたのでよく記憶に残っています。

その時は、「なにくそ」と思い、方針も変えなかったのですが、結局当時仕込んでいたことは上手くいかず、YESともNOともならない、棚上げとなってしまいました。思い返すと転職しようと思った一つのきっかけでもありました。

何かをする枠組みを作るだけでも組織を動かすのに人のインセンティブを考えたり、政治をしないといけない、そんなことよりも、もっと事業創出に繋がるようなことの方が合っていると思い、一つの技術を世に出すためにすべてを賭けるスタートアップに移りました。

しかし蓋を開けてみると、10人にも満たない組織であっても、結局躓くところは組織論だし、問題は人と人との関係性が生み出していることに気づきます。最近強く思うのは、

「どれだけ小さい会社に行っても組織論からは逃れられない」

しょうもない話ですが、出張費に関してこんなやりとりがありました。

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Aさんとわたしのやりとり

Aさん
Aさん

海外出張をするので、規定を作ってほしい
(経理が規定を作成)

Aさん
Aさん

宿泊費が国内7500円、海外15000円というのは難しいです。特にアメリカの物価の高いエリアに行くので25000円くらいします。

わたし
わたし

(まあ確かにアメリカは高いよなあ・・・と思いつつ、Booking.comで調べる)
「中心街にも、15000円以下のホテルありますよ。口コミ見てみると、新しくはないけど、清潔で悪くない、と書いてます。どうやって探してるんですか?」

Aさん
Aさん

代理店に頼んでやってるんで、勘弁してください。

わたし
わたし

勘弁ってなんですか?規定守る努力しましょうよ。

Aさん
Aさん

(無視・・・しばらくしてから)
後でちゃんとやるんで、任せてください。

わたし
わたし

わかりました


このやりとり僕の言い方がきつくてかなり険悪になってました。そこまでの間でも仕事上のやりとりでぶつかることが多かった。
考えてまともなホテル泊まっていてくれたらいいなあ・・・と思いつつ面倒なのでこれ以上突っ込むのは止めていました。
すると裏では・・・

社長
社長

Aさんの出張経費についてとやかく言わなくていいです。

経理
経理

わかりました・・・(え、どゆこと)

実はAさんが社長に、「○○さん(僕)が治安の悪い地域に泊まってでも宿泊費を下げるように言ってくるんです」と言いつけていたようで(事実無根なんですが)、社長が「そんな危険な場所に泊まる必要はない」と考えて経理に言ったようでした。

後で経理からこの話を教えてもらって、イラッとしました。前職時代に、しょうもないなと思うことはたくさんありましたし、大企業ならではの組織論でがんじがらめなことも少なくなかったです。

しかし、表面上取り繕っておきながら、平然と嘘ついてまで高いホテルに泊まろうとするなんというモラルの低さは許せたものではない。
するとまた次のAさんの海外出張の機会がきました。今回は僕も一緒に行くため、こんなやりとりが発生しました。

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Aさんとわたしのやりとり

Aさん
Aさん

ホテル一緒に取っておきましょうか?このホテルに泊まります。

わたし
わたし

ありがとうございます。僕は今回友人宅に泊めてもらうので、ホテルは不要です。 (しかしこのホテル高いなあ・・・1泊24000円、経理に共有)

経理
経理

Booking.comで調べると、同じホテルでも19000円ですね・・・

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Aさんと経理のやりとり

経理
経理

Aさん、今回お泊りになるホテルですが、Booking.comで調べるともっとお安く予約することが可能です。そちらで予約してもらえませんか?もしお忙しいようでしたらこちらで予約しておきます。

Aさん
Aさん

それは税金やら追加料金が含まれていないからではないですか。このホテルで予約させてください。

経理
経理

いえ、全て込々でこの値段です。もし敢えて同じホテルを高い値段で予約するのであればその必要性をおっしゃってもらえませんか?

Aさん
Aさん

いわれることはわかりますが、トータルコーディネートの中で、一つ一つの部品について言われると困ります。社長からはご承認いただいているので、何かあれば社長に言ってもらえませんか?

経理
経理

それは論点がずれてます。特に負担を増やすことなく、予約方法を変えるだけでいいのです。敢えて会社に損を出すことは容認できません。ご面倒ということであればこちらで代行させて頂きます。

Aさん
Aさん

社長に合意得ているので、何かあれば社長に言ってください。

経理
経理

わかりました。社長に相談しますが、前提としてこのホテルをどうやって知ったのか、つまりどうやって選んだのか教えてもらえませんか?

・・・返事なし

なんという不毛なやりとり・・・その後、対面での利害関係者同士の打ち合わせが実施された

経理と社長のやりとり

  • 上述の背景説明をしたうえで、経理側の主張を社長に理解してもらった。
  • 角が立たないように、3人で話そうということになる。

Aさんと経理と社長でミーティング

  • 一回目の打ち合わせでは、話がかみ合わず結論にいたらず(ちょっと意味がわからない)
  • 二回目の打ち合わせでは、以下の内容でまとまった。

○ホテル:毎回自分で手配して安いホテルを探す

○航空券:今まで使っていた代理店を使って、今後も手配する。 何かあったときの対応で時間がかかったりするのを避けるため、慣れた手法でかつトラブル時の対応がちゃんとしたところを使いたい。 そのうえで3か月ほどかけて現在使っている代理店がベスト化を経理の方で検証。


ようやく着地点が見えました。

ホテルの宿泊どうする、という本当に些細なことなのに、信じられないほどの時間と精神的な負担がかかりました(僕は単にイラっとしただけなので、経理が頑張ってくれました)。

当初は僕も、こんなモラルの低いやつと仕事してられん、とかなり怒りが湧いていたのですが、これも結局、「違う価値観を持つ人同士が集まった結果起こったカルチャーショック」の域を出ないのかもしれない、と思います。

そもそも関係性が良好でない場合、言葉を尽くして説明しようという気にはならない。ましてや忙しい時なら尚更。アメリカではコミコミの金額だと思っていたら現地でプラスルームチャージがかかる、なんてこともあるようです。本当にそう思っていて、単にリーズナブルな理由で(私利私欲ではなく)行動した結果が、相手からはそう見えなかった、というだけにも思えます。しかし、バイアスがかかっているとそう捉えられない。性善説で捉えるか、性悪説で捉えるかで見方が180度変わってしまいます。

Aさんの立場に立ってみた時の彼なりの正義、彼なりの正しさというのも、最初からもう少し彼の視点に立って世界を見ることができていたらわかったのではないかと思います(結果論)。
何より、喧嘩しても何もいいことはない。自分の主張が通ることもない。上の例は大変しょうもない話なのですが、これに似たようなことはたくさんあって、日々苦労するのですが、お互いの価値観の違いを認めることから出発しないと、歩み寄れないと感じました。

P.S. 今週のオススメ本

『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 [電子書籍]』 宇田川元一

以下メモ (途中で消えてしまって、残念なメモになってますが・・・)

boompanchさんのレビュー
boompanchさんの宇田川元一『他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング) [電子書...


組織論が専門の埼玉大学准教授の宇田川先生の著書です。
人との関係性の中で生じる複雑で解くのが難しい問題(適応課題)に対しては、まずお互いの間に溝があること、わかりあえないことを自覚することが出発点で、そこに対話という営みを通してなんとか橋をかけていく。
まさに今日書いたようなことを扱った本なのですが、組織論で苦しんでいる人にはぜひオススメしたい本です。

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