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大企業で有志活動を行う団体が集まるONE JAPAN CONFERENCE 2019に参加して思ったこと

先週日曜日(29日)「ONE JAPAN CONFERENCE 2019」に参加してきました。

ONE JAPANというのは、大企業で有志活動を行う人たちが集まるプラットフォームです。


前職時代、僕自身も自社内で有志活動を立ち上げて社長対話会や従業員に家族に会社に来てもらう会を催したり、外部の面白い人を呼んできて講演会したり、いろいろやってました。
「自分含め、会社にくるのが楽しくなるようなことをしよう」、という感じだったのですが、結果として社内のネットワークは爆発的に広がったし、特に新規事業系の仕事をしていた僕としては、新たな着想を得られる機会が増えて有意義でした。この辺はまたいつか総括したいです。

こうした動きをしている人たちがいろんな大企業の中にいて、それはこのままじゃまずいというような危機感から動いていたりすることが多いのですが、そういう大企業の活動家が集まったのがONE JAPANです。

僕も前職在籍時は参加していて、ここで知り合った他企業の方々といろんなイベントも開催しました。そのONE JAPANが年に一度開催する一日がかりのビックイベントが今回参加したものです。
運営する人たちはみんなボランティアでやっていて、1000人以上の人が集まり、ゲストは豪華、そんなイベントです。

本来なら大企業から抜けた僕は参加資格は無いのですが、ボランティアとしてお手伝いで参加させていただきました。転職してそれまでお世話になってた人と疎遠になっていたので、ご挨拶できてよかったです。

たくさんのセッションがあったのですが、インパクトのあった最初のセッションの内容を紹介したいと思います。

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テーマ:両利きの経営 ー 日本企業復活の処方箋 ー

  • 株式会社経営共創基盤: 代表取締役CEO 冨山和彦
  • パナソニック株式会社: 執行役員 コーポレートイノベーション担当 馬場渉
  • 大阪大学大学院経済学研究科: 准教授 安田洋祐
  • 早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール: 教授 入山章栄(モデレーター)

公演内容メモ

イノベーションを起こせる環境か?

  • 両利き経営とは、既存の事業を深めていく「深化」と、新しい事業を開拓する「探索」を両方行っていくということ。大企業は全社が得意だが後者は苦手。ここに対する明確なガバナンスがないとイノベーションは起こせない。
  • イノベーションの起こし方の概念は全部本に書いてある。これを具体的に事業に展開していくところが難しいが、そもそも前段の基本がわかってないのは論外。まず本を読め。

イノベーションを起こせない環境とはどんな状態か

  • 「探索」をしていても、代謝の仕組みがないと結局止まる。 つまり何かを始めるには何かを止めないといけない、それが出来ないなら探索は無意味に終わる。
  • 自前主義にこだわらない。医薬品業界では、日本企業が自前主義をしていたら、高分子の世界で、世界の大企業はベンチャーを買収するというエコシステムに変わってしまっていて、そこに日本企業は出遅れた。研究所の規模を1/10にするくらいの変化が必要。

子供がやってるのがスタートアップ、スケールさせるときには大人がやらないとうまく行かない。

  • インターネットの世界のパイオニアはネットスケープ、子供レベルだとここで終わり。グーグルはエリックシュミットがいて、大人の経営をして大きくなった。
  • 最後は人に対する洞察、人に対する興味があるか。何かを変えようとすると利益、不利益を受ける人が必ず生まれ、人に対して光りと影を作る。他人の人生に関わり向き合っていこうという覚悟があるなら大人になればいいし、めんどくさいと思ったら子供のままプロフェッショナルとして探索を続ければよい。

イノベーションを起こせない環境だったら

  • やめるべし、また40〜50で戻ってくればいい。
  • 本当に大事に育ててきた人が辞めると会社が変わるきっかけになりうる。
  • 若手がこの話を聞いてもしょうがない。社長来させないとだめ。そして社長だけが味方でもだめ。

大企業で頑張るというポジションを取った人の集まりの中で、冒頭から早くやめた方がいい発言が相次ぎ、非当事者ながらあたふたしたセッションでした。「9割の日本企業はイノベーションを起こすためのガバナンスがない」と言ってましたが、逆に言えば残りの1割であれば中で頑張る意味もあるとも言えます。
大企業の中で探索をしている側の方々はこの自社のガバナンスについて考察した方が良いと思いました。

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ONE JAPANについて思ったこと

ボランティアでここまでのことができるのはすごいということです。休日に1000人規模集めて、豪華な登壇者を呼ぶ、そして多くの人に自発的に動いてもらう仕組みを作った、これ自体がイノベーションだと思います。

一方で、一体ONE JAPANの意義は何なんだ、というのは自分が参加している側でもずっと腹落ちしないところがありました。だからこそ、全コミットで参画することはできず、一歩下がって、何かGIVEできることを探しながら、ゆるい繋がりを作る場として活用させてもらっていました。
結局僕が総括して思っていることは「結局何がしたいのかわからない」ということなのですが、3つの視点で書きたいと思います。

自己実現の場になっている

  • 大規模なイベントを開催し、著名人を招聘できたことの満足感や、登壇した達成感、メディアに注目されること、そこかやりがいになっているように感じました。
  • パネル形式のセッションで全てが構築されているものの、登壇者同士がはじめましてのパターンで、壮大なテーマを探り探りで進めている間に時間切れというパターンが多い。
    ゲストが豪華なことを見せたい主催者側の思惑であり、本当に中身を重視したイベント設計になっていないと思いましたす(0−100ではないですが)
    ゲストの中には主催者側の人も多く、自分たちが前に出たくてやってる感じがしました。

目的と実態の乖離

  • 自己実現のため、イベントを開催してそこにたくさんの人に来てもらうことが目的、ならば僕が見えた通りなわけですが、ONE JAPANは「やめるでもなく、染まるでもなく、変えよう」、と掲げており、単なる自己満足とは別次元と理解してます。
  • 僕自身が自ら有志活動をしているときは、参加した人が楽しいと思えることをする、ということを明確に掲げてました。だからこそ、意味はあるのか?というような質問そのものが無意味ですし、会社に来るのが楽しくなったり、新しい社内の知り合いができて生活が豊かになればそれで十分でした。
  • イノベーションを起こすためには多様性が必要で、そのためのゆるい繋がりを有む場としてONE JAPANはとてもいいと思っています。 これは何が生まれるか狙って探索していくだけでは自分の想像力の範囲内にイノベーションが限定されるという問題意識から来ていて、よくわからない中での繋がりは必要だし、そうすると目的として設定しにくい場の設計が必要、ということもよくわかります。
  • ある程度メディアに露出したり、本を出したりしてくると、組織として「ONE JAPANって何のためにあるの?」という問にさらされ、これに答える必要性にも迫られてきます。 そこで、「いやいや余計なお世話や、俺らはやりたいことやってんねん」と言えればいいのですが、「会社を変えるとか日本を変える」、とか崇高なことを言っているので、手段が目的化している矛盾を感じているのです。

創業メンバーの2/3がすでに大企業から去る

  • 大企業の有志団体の集まりのはずが、創業メンバーの2/3はすでに退職してます。その他幹事クラスも転職している人が少なくないです。 つまり、「大企業で有志活動を進めていった結果、会社を去っていった」という人たちが、これを推進する人たちの中でも少なくないということです。 ここに大きな矛盾が出てきています。
  • 大企業の中であがきつつ、薄々「変えるの難しいな」ということが本音ではわかっているように思えるのです。 一度やり始めたらやめるな、という言いたいわけでもないですし、個人の自由なんですが。

これだけの若いエネルギーと熱気が集まる事自体、やはりすごいことだと思います。そこには、大きな力があり、問題意識やニーズがあるわけです。 そこには、今の日本の大企業が抱える構造的な問題が現れていると思っていて、じゃあこれを壊すのか、変えるのか、何なのか、単なる自己実現に終わらないでほしいなと思います。

自分にはできなかったからこそ、それを日本の大企業の集まり、レベルの規模感でできたら本当にすごいなと思います。

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